#2 青森
生れて初めて行った青森は、ねぷた祭りだった。
弘前出身の友人についていって、8月だというのにそれほど暑くない夜、大きなねぷたが前を通り過ぎていくのを見ていた。青森市のほうのねぶたと違って、「ヤーヤドー」と、若干間のびした、のどかな感じが弘前の空気に合ってるなと感じた記憶がある。
その後、何度となく青森県を訪れることになるのだが、その目的は一つ。温泉に入ることだった。不老ふ死温泉といわれる海岸沿いにある露天風呂があることを知って、行ってみたいと思っていたのが、機会を得て初めて行った時の感動は忘れられない。
日本海側の海岸沿いに車を走らせていき、ようやくという言葉が似合うようなところにある、黄色いお湯の温泉。駐車場から丸見えになっているその露天風呂は、ドライブで疲れた気分をもう一度高揚させてくれた。
思えば、青森に行くときはこの不老ふ死温泉がメインになっていたので、太平洋側の方にはあまり足を運んだことがない。八戸、青森、大湊、奥入瀬。行ってみたいところがたくさんあるのだけど、その機会がなかなか来ない。もしかしたら南部と津軽は仲が悪かったといわれているが、初めて行ったところが津軽の弘前だったが故に、津軽に肩入れしていると思われて、南部エリアへの訪問を拒まれているのかもしれない。
そんなことがないと確信するためにも、次に行くときには南部側へ行きたいと思う。